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ANTIPORNO アンチポルノのhiiのネタバレレビュー・内容・結末

ANTIPORNO アンチポルノ(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

監督の自慰作品という声もあがりつつ、私としてはそこはどうでも良くて、自分が何を感じるか、はたまた何も感じないかだと思った。
この人の映画には色があって、恋の罪を観た時と少し似たようなものを感じた。この映画を見た人はこの女はなんてフェミなんだ、とか言うと思うけど、それを作っている監督は男性な訳で、女はみんな男のことが嫌いで見下していて、女より男の方が穢らわしいという考えを持っているんだ。こいつらは救いようがないくらい自分たちが可愛そうで、でもそんな私たちを虐げている男を倒すために立ち上がるとでも思っている。という考えを持って卑下しているのは実は監督だったり。するのかもしれない。私はこの監督の作る世界観が好きだ。何も理解出来ていない、もっと高みを目指さなければと、無い頭を絞って考える視聴後が好きだ。断片的なシーンの連続で、徐々に分かったような気をして、でもやっぱり分からない、煙に巻いてしまう監督の作る世界観が好きだ。

誰も得しないセリフメモ


私はいるのに今日という日はいない。今日という日はいくらでもくる。毎日死ぬまで今日は来る。


ねえ、いいセックスしてる?
いえ…
駄目じゃないいいセックスしないとぉ!私が高校生の時なんてめちゃくちゃセックスしたわよお!色んな男を、昆虫のように扱ってえ……
男を弄ぶなんて…!……真面目すぎて出来ませんでした……
……真面目なんて、糞にでもやればいいのよ!


いいねえ、いい体してる。もっと使わなくちゃあ!酷使してこそ!……
ちゃんと使ってよ!
この国の女は心を使いこなせないし、肉体も使いこなせない!男たちに振り回されて、男たちの社会に揉みくちゃにされて……疲れ果てて……
…愛してます!
え?誰を?
…あなたを、愛してます……
キスして


私は何をやってもだめだ、子供の頃から何も成長していない……
男になって男どもを殺したい!
私はクソ真面目な女子で、とても厳しくつまんない両親に育てられてきた
何も映ってないわよ売女ァ!
何も映ってない?あたしが映ってるでしょ!クソ売女!


憂鬱すぎる日曜日。死ねない水晶の眼をした、悲し〜い紫の眼をした、売女か?お前は売女か?売女になれるか?
四つん這いになってご覧。
……はい
犬のように吠えろ
……わん
犬のように歩け
吠えろ!
わん!
そうだ、首輪つけてやる
un,deux,trois?
ワン!
un,deux,trois?
ワン!妹は?


妹がいない、
何言ってるの?
妹がピアノ弾いてない!
何言ってるの?
妹がいない!妹がピアノ弾いてない!妹はどこにいるの……妹はどこ!
お前はまだ売女にはなれない……ただの犬だァ!


私を閉じ込めている、全てのクソみたいな忌まわしい自由を、糞みたいなゲスに流してやるわ。この国の表現の自由などという、使えないやつに、糞の中にぶち込んでやる。この国の女は、みんな自由に苦しめられている。この国の自由に騙されて、表現の自由を謳歌していることになっているけれど、


誰一人として、自由を使いこなしてなんかいないの。いい!?この国の女は誰一人として、誰一人として!この国の女は自由を使いこなしていないの……自由にかしづいて、自由の奴隷になって、自由に振り回されて、自由になった振りをしなくてはいけないの……なあ犬!クソみてえな犬の自由を味わって!
お前は売女か!


設定はポルノ映画にでる女。自分を偽って、売女だと宣言するその理由は、東京の全ての人間が一日にする糞の量よりも遥かに上!特上の糞!大盛りの糞ぐらい大量に理由がある!第一に、この国の男が糞。第二に、この国の男が作ってきた自由が糞。第三に、この国のどこか夢見る世界が糞!


全ての糞の世界でポルノ映画に出演する私はァ!
私の出口はどこォ!出口はどこお!出口出口出口出口出口はどこお!出口くれえ!出口を頂戴……出口くれよお……
hii

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