MasaichiYaguchi

BLEACHのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

BLEACH(2018年製作の映画)
3.3
週刊少年ジャンプ創刊50周年の今年、劇場版アニメも好評だった久保帯人さんの漫画「BLEACH」が、福士蒼汰さん主演で「アイアムアヒーロー」「いぬやしき」の佐藤信介監督によって実写映画化された。
実写映画は原作と別物とよく言われるが、原作やアニメ版のファンからすれば、同じ〝看板〟からくる〝期待値〟から大幅に下回っていたらがっかり感は大きい。
主演の福士蒼汰さんは漫画実写化映画の主人公にキャスティングされることが多いが、同様に監督として漫画実写化映画に携わることの多い佐藤信介さんとの組み合わせによる本作は如何にということになると思う。
この映画では主人公の名前ではないが、「護る」というのがキーワードになっている。
黒崎一護は生命の危機に晒された時に様々な人物たちによって護れていて、特に幼少期に遭遇したことがトラウマであり、彼が背負う〝十字架〟になっている。
彼はその護られた恩に報いる為、今度は自分が強くなって、大切な人々を護る為に戦おうとしている。
本作ではそのプロセスが、ある切っ掛けで共に行動することになった死神の少女・朽木ルキアとの触れ合いや、家族である父や妹たち、そしてクラスメイトとの関係性を交えて描かれていく。
だが彼が「死神代行」として〝物理的に〟訓練を積むだけでなく、その役割として、人として成長する過程を〝深み〟を持って描いて欲しかったと思う。
とはいえ終盤での様々な戦いは、佐藤信介監督らしい最新VFXを駆使したパワフルで外連味たっぷりのアクションで楽しめた。
原作では「死神代行篇」以降に何篇もあるのだが、果たして実写映画版は続編が製作されて〝それからの物語〟が描かれるのか期待したい。