TB12

ラスト・オブ・モヒカンのTB12のレビュー・感想・評価

ラスト・オブ・モヒカン(1992年製作の映画)
3.2
原作は小説「モヒカン族の最後」
過去に何度も映画化されているほどの定番小説との事。

舞台は1757年の通称フレンチ・インディアン戦争が繰り広げられてる時代でそれにまつわるモヒカン族の話なのだが言ってしまえばこれ単なるロマンス映画よね。

主人公とヒロインが惹かれ合う意味がよく分からんし別にロマンス要素なんて要らんくね?と個人的には思った。

イギリス領時代のアメリカでイギリスとフランスが植民地戦争をしていて更にそこに原住民も加わっておりもはやカオス状態。

原住民と言っても様々な部族が居る訳でフランス側に付く部族も居ればイギリス側に付く部族も居るしかと思えば原住民同士でも闘ってたりともう本当訳のわからん事になってる。

これが実際にあった戦争なんだから凄いよね。
思わずこの戦争のウィキを見てしまった。

単純にこの戦争を掘り下げている歴史スペクタクル映画なのかと言うとそうではなく最初にも書いたようにロマンスがメインになっていてイギリスやフランスや原住民達の心情はあまり描かれていない。

で一番の問題は主役サイドであるモヒカン族の掘り下げがあまりに無さすぎる事。

ダニエル・デイ・ルイスしか目立たない作りになってるから最後のウンカスの死や仇討ちでチンガチェックがマグアを殺すくだりもあまりに感動が薄い。

原住民達の物語にしようとはしているものの結局は主役の白人とヒロインの白人しか目立たないTHE白人映画になってしまってる印象。

まあ200年も前に白人男性によって書かれている小説だしこの映画も91年で「原住民出すけど結局は白人様の物語で〜す」でオッケーだった時代だろうし仕方ないのかもしれんが。

もしこれを今作るならもっと原住民達にフォーカスした内容にして白人俳優を無理にゴリ押ししない作風にするのだろう。
過度なポリコレは嫌いだがこの作品に関してはそれが絶対に正しい。

ともあれ娯楽映画として見ればそこまで悪くもなかったかな。
一応最後まで見れたし。

役者陣ではマグア役のウェス・ステュディが凄く良い。
色んな作品で見かける俳優ではあったがこんなに上手いとは知らなかった。

それとダニエル・デイ・ルイスはジェニファー・コネリーにそっくりすぎてもはやジェニファー・コネリーが主役なのかと錯覚するレベルだった(笑)

マイケル・マンの戦闘描写もCGに頼ってなくて悪くはないのだが今見るとカメラワークや演出面はかなり微妙。

当時はこれでもカッコいい演出として見られてたのかも分からんがこの当時でも今の大作映画にも負けない抜群の演出センスを見せてる映画はいくらでもある事を考えるとマイケル・マンの腕がただ悪いだけなのかもしれん。

ヒートの銃撃シーンは今見てもトップクラスにカッコいいんだけどねー。
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