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否定と肯定の62355cinema5のレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
3.9

実際の裁判に基づく作品。
恥ずかしながら、この裁判のことを全く知りませんでした。
DVDでの初鑑賞です。

ホロコースト否定論者と非難され名誉を傷つけられたとして、ユダヤ人歴史学者デボラ・リップシュタットは、英国のD.アーヴィングに訴えられる。
しかも、英国の司法制度に従い、被告であるデボラが立証の責任を負うはめになる。
デボラは、大弁護団の支援を受け「ホロコースト否定論」を崩すべく、アーヴィングに立ち向かう。

弁護団が現地調査に訪れるアウシュビッツのシーン...どんよりとした重苦しい雰囲気が裁判の意義を問いかけているようで何とも不気味。
さらに不快感MAXを与えるようなアーヴィングの尊大な態度も...

そして、被告が原告の過ちを証明しなければならないという英国の司法制度...米国式とは違うこの新鮮な要因が、公判への関心を一気に高め、観るものをストーリーの中へ引き込んでいく。

裁判のシーンは俳優さんたちの演技力の素晴らしさが光っていましたが、やはり一番はレイチェル・ワイズでしょうか...
被告として沈黙を保たなければならないデボラの苛立ち、ホロコーストの生存者の声を代弁できない辛さ...など内面的なものが上手く出ていたと思います。

しかし、そもそもなんで歴史的事実に対して、ここまでしなければならなかったのでしょうか?...というのが私の率直な感想です。

※今回は字幕版で観ましたが、次は吹き替え版で観直して理解を深めてみたいと思っています。
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