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否定と肯定のayakoのレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
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授業にて。歴史修正主義の観点からはホロコースト否定論がどのように組み立てられるのか興味深かった。ガス室の中に入って出てきた生き証人も、掻き消された証拠も存在しないのだから馬鹿げてるの一言で片付けられない。
ただ今学期別の授業でむしろ「ホロコーストは本当に存在したと言えるのか」という批判的でほぼ逆の視点から(もちろん存在したということは前提)『ショアー』『夜と霧』とかの映像作品を観てきたから、こんなに単純明快な「アーヴィングは事実を歪曲してる」というみんな安堵するハッピーエンド的な描き方で終わらせていいものなのか疑問に思わずにいられない。
気になったのは生存者との対話。「生存者になぜ証言させないのか」という彼女の意見はもっともだと思う。だけどショアーを観た後だと自分の記憶を真っ向からホロコーストを否定するこの人物に証言できるのか懐疑的になってしまう。
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