たな会No02

驚異のドキュメント 日本浴場物語のたな会No02のレビュー・感想・評価

3.5
わりと前半というかほぼ最後のあたりまでというかまじめな劇の入ったお風呂ドキュメンタリーです。風呂の歴史と風俗をちゃんと描きます。水遊びや産湯などの根源的なものから、身をきれいにする清浄としての風呂、精神的な向上のための宗教的意味合いを持つ風呂、レジャー複合施設の一部としてあるいは間口としての風呂、そして欲望を満たす道具としての風呂と、風呂と人のかかわりの歴史を辿りながら、71年当時の俗物化してしまった風呂の状況を憂い、最終的には子宮という風呂へ回帰します。日本は経済成長で豊かになり、何かを捨ててしまったようで、それを憂うわけですが、では経済的に豊かではなくなった現在、捨ててしまったものは戻ってきたかというとそうでもない気がしますね。トリエンナーレの件とかみてて確信しました。子宮へ帰ろうかなと思いました。