大好きなケイト・ブランシェットはじめ、
“今、観たい！”と思えるキャストたちが
メットガラを舞台に派手に巻き起こす
窃盗エンターテイメント。
これ、トレーラーの限りでは
アガる要素以外考えられなかったんですが、
5年かけてシミュレーションした作戦‥
たぶんその完璧さが、作品としては
むしろ苦戦に繋がったのでは。
すべてが思いのほかすんなり進むし、
あちこちにスルーできない既視感だらけ。
眼福要素はもちろん贅沢の限り
盛り込まれていますが、
その高級素材をうまく料理し得ていないんじゃないかと。
加えて
「SEX and the CITY」や
「プラダを着た悪魔」を
すぐに思い返せる人にはすぐわかる。
パトリシア・フィールドの
スタイリングを何度も思い出した。
オーシャンズシリーズに期待してしまう
やられた感や、観客も巻き込まれる感に
非常に乏しい。
かと言って、仕掛ける犯罪者が
すべて女だからこそできる強み描写が浅い。
逆に弱みも描かれていない。
掘り下げて欲しいシーンの
掘り下げが浅く物足りない。
加えてバランス悪くキャッチーすぎる。
(某グラフィティアーティストの使い方とか)
ケイト・ブランシェットは
バンドで例えるところのベース役。
平然と裏方に徹するキャラ。
でもなあ‥だからと言って
あんな風にバイクで颯爽と走らせたり‥
かっこいいけど鮮度には欠ける。
盗み出す方法、アイデアにはアガったけど
その後の演出、ドレスアップのくだりも
例えばメイクさんを騙して著名人ぶるとか、
全員でドレッサーに並んで
シャンパン飲みながら
キャッキャしてくれてもよかった。
そういう女同士ならではの演出に飢えた。
で、その後ひとり乾杯かあ‥。
粋な収束シーンとしてもやっぱり
うーーん惜しい！
