82saku

オーシャンズ8の82sakuのネタバレレビュー・内容・結末

オーシャンズ8(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

まず、人のものを盗ってはいけない。
そして、人を騙してはいけない。
それを、痛快でカッコイイ事と捉えてはいけない。

冒頭でモヤモヤとそんな事を考えていると、主人公が「そんな考え方のヤツとは組めねぇ。一緒にはやっていけねぇから早目に言って車を降りろ」ってニュアンスの発言をしているではないか。自分の事だ。この言葉は自分に向けられているのだと感じた。

冒頭のような考え方で映画を観てる奴はノリについて来れねぇからな、という制作者サイドからの注意を早々に受け取る事ができたので、倫理観をひとまず脇に置いて楽しむ事ができた。

この映画で気に入ったのは、分け前を完全に等分した事だ。企画立案総指揮、ヘッドハント、雑務事務、そして各種実行部隊と、一大プロジェクト完遂の為の仕事は様々。
でも、そのどれかを偏重する事なく、成功報酬を傾斜配分しない。それは、どの仕事も失敗してはならない重みがあるのだ、責任を持て!という指揮監督者の意思の表れであり、その意思をメンバーが尊重、共有しているように思えた。

でも、モヤモヤポイントもある。
メンバーに異性を入れたくないという発言だ。男が組織にいると女が無視される、みたいな事を言っていた様な気がする。でも、プールに飾られたマネキンから装飾品を盗んだのは男性ではなかったか??その意図ってなんだろう。言う事を聞く(異論を唱えない)男性なら、異性でもメンバーに加えるっていう発想ならば、これまでマッチョ組織で女性を軽視して来た男性と同じ考えになるのではないか。少しチグハグだと思った。
…思ったのだが、前作等を受けての発言だったりするのだろうか?

もう一つ、モヤモヤポイントがある。
みんな、アンハサウェイを馬鹿にし過ぎ。
脚本が、アンハサウェイを馬鹿にし過ぎ。
アンハサウェイも、嫌われている「アンハサウェイ」を認識した上で滑稽なアンハサウェイを演じている感があって、見ていて辛かった。彼女の間抜け感、必要だったのかな。
人に嫌われない為の、そして自分が傷つかない為の鎧が必要だからと、必死に滑稽を纏っている様で悲しかった。

気にし過ぎか。

でも、引っかかった。

この映画を観ようと思ったのは、ツイッターで「かっこいい女性達の映画」みたい感想を見たからだ。

でも、アンハサウェイを馬鹿にしてない?と思えてしまった。

かっこいいって、
人を馬鹿にしたり笑い者にしたりしないと思う。

気にし過ぎか。
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