Ryoma

レザボア・ドッグスのRyomaのレビュー・感想・評価

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
4.1
映画って一口に言っても、色々やんなきゃいけないことがあるから、ほんとめんどくさいと思う。カメラ撮影、脚本の執筆、役者の演出、映画音楽、映像編集・・・、いろんな要素が混然一体となって「映画」が出来上がるのだけれど、まあ、文字通り総合芸術って感じでめんどくさい。でも、そんなめんどくさく散在する色んな要素の中心部分に仁王立ちし、あっちこっち軽快にステップ、フットワーク自在に駆け回り、制圧・統制し製作することが出来る映画人がやっぱり何人かいて、それが僕が思うに、タランティーノとゴダールである。いやーほんと凄いよね、映画をわかっていらっしゃる。
んでこの映画はデビュー作よ、天才だよね。見るからに低予算で作ってるんだけど、いやーそれを逆手にとってというか、大部分を占める安っぽい倉庫で撮られたシーンも、倉庫の緑色のさびれ具合といい絶妙に「絵」になるように計算されてるし、お得意の時系列シャッフル演出を倉庫シーンの合間に挟むことによって、観客を飽きさせないうえ斬新で刺激的だし、グロいバイオレンスシーンにあえて軽快なポップスを流すという対位法的な手法も使いこなしてるし、いやーまあほんと手慣れだよね、デビュー作にして。
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