ひさびさに観たけど、凝りに凝った魅せ方がやっぱり徹底的に面白い最高の1本! 短い上映時間にタランティーノの良さが詰まってる。
冒頭のタランティーノ本人による「Like A Virgin」異色解釈の語り、そして「俺はチップは払わねぇ」というスティーブ・ブシェミの屁理屈(でも結局1ドル払う)からの、カッコいいオープニングロール。
もうこの時点で画面に目が釘付け。まだ何も始まってないのにね。
そして、そこから、さぁ強盗シーンだ!と思ったら、いきなりそれが失敗したシーンに飛んで、ティム・ロスが血塗れで唸ってるという急転換。
その後、強盗シーンはほぼ描かれないままで話は展開していきますよね。
それでも会話とキャラクターと構成の力で、普通の映画ならクライマックスみたいなシーンをやらないでも面白くしちゃうのが、本当にお見事。
マイケル・マドセンの耳切りシーンとかね、「Stuck in the Middle with You」の選曲といい、”クレイジー”という意味でセンスの固まりのような強烈な名シーンになっています。
あと、「裏切り者は誰か?」というのが、実は話を引っ張る中心ではないところも捻くれてて良い。最後の最後まで明かさないのではなく、途中で明かしても面白いだろ?というような余裕を感じるんですよね。
この映画が公開された当時をリアルタイムでは僕は知らないが、これをいきなり観て、監督第1作って知ったら、そりゃ絶対その才能はほっとけないって!
今観ても、マジでキレキレな映画ですもんね。