みずきち

アンダー・ハー・マウスのみずきちのネタバレレビュー・内容・結末

アンダー・ハー・マウス(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ラストを見た瞬間に、この物語はジャスミンが母に敷かれたレールを外れるまでの道のりを語った物語なんだなと感じた。
ジャスミンがラストでレールを外れて自由に生きる姿を見てやっと心が落ち着いた。
最後の最後がくるまではずっと、この作品の何がいいのかわからなくて、なぜ今後はもう軌道修正できないであろうライリーとの関係の修復をはかり続けるのか、ジャスミンの気持ちがずっとわからなかった。
けど、自分がバイでジャスミンのように母に抑圧されて育ったからなのか、ラストを見た瞬間に納得した。ああ、ジャスミンはこれまでずっと、好きな相手が女性のときでも、好きな人を好きと言って自由に生きることができなかった人なんだなと。
セックスシーンが異様に多いのは、それだけ想いが強いダラス相手でもすぐには選べないほど、「同性を愛してはいけない」という縛りが強いことを表すためだと思う。
これは当事者以外だと、ジャスミンの行動原理を想像し理解するのはすごく難しいかも。当事者でも、カムアウトできる人とできない人とで感じ方が変わると思う。
私はすぐカムアウトできた方なので、なぜダラスをすぐに選べないのかがわからなかった。
いくらライリーとの間に固い絆があっても、完全に崩壊し軌道修正はできなそう+ずっとダラスのことが頭から離れない顔をしてるくせに、なぜすぐにライリーを切ってダラスを選べないのか、見ててすごくイライラした。
鑑賞者によって、ものすごく賛否両論わかれそうな作品でした。
浮気が嫌いな上、すぐに1人を選べない人間はもっと嫌いなので評価は低めです。

この作品をおすすめしたい人は、なかなかカムアウトできない人ですね。
どれだけ愛する人がいても好きなように動けないという辛さは共感できるかもしれない。
みずきち

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