Akiyoshi

暗黒女子のAkiyoshiのレビュー・感想・評価

暗黒女子(2017年製作の映画)
4.3
エイプリルフールに観てきました🙌

お嬢さまが通う女子高の文学サークルを舞台にしたミステリー。学園のマドンナの死を巡り、サークル部員たちが犯人を告発する小説を朗読する物語。

見ている人によって犯人が異なり、何が真実か分からないストーリー展開が密になっている。言っていることも、やっていることもバラバラな物語が「うへぇ」な結末を迎えるラストは久しぶりに嫌な気持ちになった。後味の悪い映画というか、気持ち悪い感じ。

女子学園ものの登場人物は同じ制服姿で見分けがつきにくいし、キャラクターを描き分けるのが難しい。しかし今作は5人の美少女が出てくるのに、いずれも破綻なくキャラが立って描かれている。それは本作品のキャスティングが見事であり、5人の存在感・演技の幅が広いことを意味した。

主演女優が精神を擦り減らしてでも挑んで出た作品なのに多くの人に観られていないのは勿体無いなぁと思います。

表裏一体の関係性にあるイヤミスとキラキラ。女子高だけでなく、女子が集まったときに発生する友愛と憎しみの感情。少女漫画のようなキラキラした理想の恋に憧れつつも、現実はもっとリアルで残酷に、繊細な想いを引き裂かれていくことだらけ。本作品では、優雅な中のダークな世界観と、そこで蠢く美少女たちの息苦しいまでの呼吸を捉え、それぞれの魅力を醸し出すべく腐心している姿が描かれていた。

最近は思春期男女のキュートな恋物語などを謳ったキラキラ映画が大流行りですが、本作はそれとは真逆の思春期であるがゆえの少女たちのドロドロとした闇の感情を吐露していくことでカタルシスを与える生々しさがあった。
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