余韻がいい。スカッとしたし続編を思わせる終わり方が心地よい。
「ゲームの映画化」、それもインディー・ジョーンズ風のものと言われれば、多くの人が展開や結末を予想するに違いない。
それでもなお本作を薦めるとすれば、スパイスの効いた人間模様が魅力といえるかもしれない。
はっきり言って、謎解きやアクションを求めるならインディー・ジョーンズを観た方がよい。
本作は、行方不明の兄を想う主人公や妙に峰不二子っぽい女性キャラクターなど、少々複雑なストーリーが描かれる。またその分、宝探しや悪党との対決は少しあっさりとした印象だ。
人間模様に時間を割くことで、キャラクターの深掘りが行われたり、登場人物たちの間で絆が芽生えたりする。
本作は、裏切り裏切られというシーンが多用されるが、最終的にはバディものになる。これが心地よい余韻をもたらしてくれる。
なお最後に、あくまで対比のために一つ考察してみると、インディー・ジョーンズが人物描写に薄味なのは、多分スピルバーグ監督の方向性によるものなのではないか。
インディー・ジョーンズ以前の監督作品はというと、「激突」「ジョーズ」「未知との遭遇」と、演出を効果的に用いたものが中心だ。
ゲームソフトの「アンチャーテッド」は、インディー・ジョーンズをゲーム化したような作品と言われる。一方、その映画化においては“探検+人間模様”という新たな方向性を探ろうとした点で、本作は開拓精神にあふれているのではなかろうか。
