FREDDY

二度めの夏、二度と会えない君のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

後悔を抱えた主人公の身にタイムリープが起こり、再び過去をやり直す姿を描いた、赤城大空の同名人気ライトノベルを、村上虹郎主演で映画化した青春ラブストーリー作品ということで。率直に言って本作は、"挑戦的な作品"という印象が強いですね。まず、村上虹郎が演じる、バンド仲間の森山燐に思いを寄せる高校3年生の篠原智と、吉田円佳が演じる、不治の病を患う森山燐を軸に描かれる青春ドラマに真新しさはなく、ごくごくありきたりなものが映し出され、それに加えて余計な演出や過去の回想シーンなども省かれ、篠原智の"心の声"のみで状況が説明されますし、登場人物らの人物像や背景にあるドラマも映像として描かれず、篠原智が再び過去をやり直す姿をシンプルに映し出すのみ。とても淡泊で味気ないといったとこでしょうか。ただ、この作品が"挑戦的"と感じたのは、主演の村上虹郎の表情の演技に終始スポットライトを当て、篠原智の心境が"心の声"として語られている中で映し出される彼の表情の変化によって、細かな心境の移り変わりや篠原智の繊細な部分を伝えようとしていることと、その間に他のキャスト陣のカットがごくわずかしかなく、ライブシーン以外のドラマパートは大げさに言えば、"村上虹郎のプロモーションビデオ"。まさしく"村上虹郎主演の映画"という印象ですね。だが、表情だけで心を揺さぶられたのは確かですし、俳優として魅力的に感じたことは事実。人によっては退屈に感じてしまうかもしれませんが、個人的には観る価値はありました。
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