ATSUSHI

ブラッディ・ツインのATSUSHIのレビュー・感想・評価

ブラッディ・ツイン(2016年製作の映画)
3.9
原題:LET HER OUT

ネオンロゴ、EDM、セックス、女子2人の友情、
この構成要素が凄く今風。
それでいて、『ザ・フライ』『スリーデイズボディ』に続くボディホラーとしても観れる。この系統の作品の醍醐味といえば、思いがけない出来物を潰したくなる衝動と同じだと思う。肌の異変から始まり、それを見つけて取り除きたい痒さ。
そしていざ捻り出したら…後はその目でお確かめを

もう一人の主人公ともいえるオーブリー・プラザ似の親友もまた良い。
直接的には見せないものの少々淫乱ぽいところは、この映画のセックスの捉え方にも通ずる。
これまでのホラーがセックスを忌むべきものして提示していたのが、ここではむしろ人間を描くのに欠かせないもの。本能的であり、自然であると開き直ってるのが興味深い。母親が娼婦であった事、スローで見せてくれるベッドとシャワーシーンの映像美も、セックスにはオープンでも恋愛には今一気が乗らない主人公像もその主張を強めてる。
個人的には『3人で写真を』とかのジョークも効いてて好き。

終盤はサプライズとかばかりに80年代的なVFXも活躍を見せる。
痛覚に訴えかけるボディホラーと悲哀の友情ドラマが両立した佳作。