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君の膵臓をたべたいのERIのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
3.7
夏休み満員の劇場で鑑賞しました「君の膵臓を食べたい」ちなみに原作は読んでいません。いやはや前評判が良すぎると自分の期待が高まるからよくない。

そんな私の期待値を差し引いても浜辺美波ちゃんと北村匠海くんはとても魅力的な君と僕だった。

飛び跳ねるような桜良と静かにその全てを受け止める僕。浜辺美波ちゃんと北村匠海くんのそれぞれが、一つ一つの仕草、目線、どれを取っても丁寧に演じていて目を見張る。本当に少しずつ僕の気持ちがゆっくり雪解けみたいに動いていく瞬間がとても上手で。目を伏せる、並べる、きちんと置く、向き合う。

浜辺美波ちゃんのある意味今っぽくない王道的な美少女感と、北村匠海のイケメンなのに繊細で静の説得力がある個性はこの映画界に貴重な気がする。2人ともスレてなくて俗っぽくない。何より2人とも声が印象的で優しくてとても良い。

桜良が劇中で僕に、流されたわけでもなく運命でもなく、私たちは全て自分の選択で出逢ったんだよというシーンがあって。僕が目の前に落ちていた一冊の文庫を拾うところから物語は始まるのだけど。目の前に落ちているものを気になって拾うこと、それも選択。流されてみる、と決めたのも自分。

1ヶ月学校に行けなくなった後、桜良のおうちに行って共病文庫を受け取る。この後の、僕が感情をはき出すシーンに胸を掴まれる。相手のことをもっと知りたい、愛したいし愛されたい。誰かと関わることで生まれる感情に生きることを知る。そっとハグをして。

星の王子さまがとてもよいキーアイテムになって、ド直球だけどなんだかんだとても良い。僕から見てる君と、君から見てる僕はいつも少しだけ違って。なのに、互いを想う気持ちはおかしいほど同じだ。

一度も好きだと言わなかったけれど、夏目漱石がアイラブユーを月が綺麗ですねと訳したみたいな。君の膵臓を食べたい。

フレッシュな才能がまたここに。