わらば

君の膵臓をたべたいのわらばのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
3.5
邦画お得意の死別恋愛映画。
と、一筋縄では言わせないような努力を垣間見た。

咲良と恭子の関係性を掘り下げるのに、自身の経験とかで補完するより他なくて映像で見る分には感情を捉えにくかった。

がしかし、(狭い学校という注釈つきではあるが)世界の中心である、ヒロインが死んで、世界にぽっかり穴が空いてしまうとき、彼女は残された世界に何を残すのだろう。という点でまた見ると、本当に、その、なんちゅうんですか、ええ子やなぁ咲良。

見かけは明るく陽気だが、中身は死に怯え脆い咲良と、孤立している陰気なように見えて、健気で芯の強い主人公とが互いを日常の支柱に選んで、お互いに憧れを抱く。

恋愛邦画お決まりのキスやらなんやらがないのは、これが実のところ恋愛映画とは一線を画した映画だからだろう。だからこそのハグだ。


矢本くんのガムをたべたい
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