製作費600万円ながら興行収入250億円を叩き出して話題になったPOVモキュメンタリー『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の正統続編。
既に『ブレアウィッチ2』なる続編が作られていたのですが、あちらはPOVでもなくモキュメンタリー形式でもないということで大不評を買い、なかったことに。
本作ではしっかりPOVモキュメンタリーに回帰しています。
とはいえ、今更『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の正当続編を作ったところでどうするんだという気は正直してました。
1作目があれだけ話題になったのは、超低予算が逆に幸いして圧倒的なリアルさを作り出し、メディアミックスも絡めて「これは本物なんじゃないか」と観客に思わせるよう大々的に宣伝したからです。
ところが公開から20年近く経った今では当然ながら熱狂も冷めて、もう作り物だと分かっているわけです。加えて、今作は超低予算という話題性もなし。
これじゃあ観客としては盛り上がりようがありません。
それを監督もわかっていたのか、もうリアルさはかなぐり捨てて、徹底的にホラー演出の数を増やして、おまけに派手にするという方向に切り替えてきました。恐怖シーンではBGMまで流されていて、もはや開き直ってるレベル。
でも今更リアル寄りにしても観客は騙されないでしょうから、この方針転換は正解でしょう。脅かしイベントはとにかく多いです。見てて飽きない作りになってます。
前作に対して「若者3人が愚痴りながら森を歩き回ってるだけで地味すぎて退屈だ」と感じていた人にとっては、本作は逆にある程度満足できる内容になってるんじゃないでしょうか。
