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満月の夜のwisteriaのレビュー・感想・評価

満月の夜(1984年製作の映画)
4.4
Amazon primeの配信切れ間近ということでもう一本ロメールを観ておこうと駆け込み視聴。

パスカル・オジェがパリと郊外の2つの家を行き来する恋に奔放な小悪魔的女性ルイーズを演じる。彼女は本作の室内装飾も担当し、淡い色使いの可愛いパリの部屋と白壁にモンドリアンのコンポジションなんかを飾っちゃうモダンながらどこか味気ない郊外の部屋をデザイン。残念ながら彼女はこの映画の後24歳の若さで急逝してしまうことになる。

若い頃ならルイーズみたいなあっち行きこっち行きするタイプの女性に苦手意識を持ったかもしれないが、今ならそれはそれで別にありなんじゃないかと思えてしまう🤣いろいろ振り回されて損な役回りのオクターヴ君に同情と共感の意を表明しておこう。

「満月」はロメール的な偶然性をもたらすものとして出てくるが、本作ではいささか図式的というかネタ的な感じもしたかな。

撮影がダニエル・シュミットやストローブ=ユイレ作品で知られるレナート・ベルタで、ロメール作品でも一際瀟洒な画作りとなっている。かと思えば、笑えるほどダサい選曲とダンスシーンもあったりして、なんだかほっこりもした。
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