このレビューはネタバレを含みます
エリックロメール4本目
自分として、
エリックロメールは人間の愚かしさを、
皮肉たっぷりに映すというより、
かわいげのあるバカとして昇華させ、
観る人の心に心地の良い温かさと切なさをもたらしてくれる人だと感じる。
それでも観ていると、
少しばかり登場人物に憤りを覚えるのは、
人間として理解できる部分がある事に他ならなく、人間性の表現が巧みである証拠なのかなと。
今作でも登場する
馬鹿な女に、イタい男は私たちの身の回りにいる「アイツ」や「ワタシ」であり、
彼らの起承転結が映画的に楽しめるよう脚本化されている。
毎度家に帰るときの視点が同じであり、
帰るたびに関係性や意味合いが変わっているのが面白かった。
自分が観た他作よりも、
コメディ性は薄く、昔話的なやるせなさが多いと感じた。