0

武士の家計簿の0のレビュー・感想・評価

武士の家計簿(2010年製作の映画)
2.0
『家計簿』とあるので当時の相場だとか、今までまったく知らなかった武士の金銭事情についての数字がたくさん出てくるものと予想していたがその辺の描写は少ししかなかったので拍子抜け。冒頭にわざわざテロップを入れるほど「家族愛」、ヒューマンドラマに重きを置いていた。
地味で堅実な作品。幕末はドラマがたくさんあって派手な演出をされた作品がゴロゴロ転がっているけれど違う角度から見た幕末が興味深かった。
清廉潔白で数字に長けていても我が子との向き合い方も完璧であるかと言えばそうではなく。夫婦間で投げかけられた言葉、親子の繋がり。そういったことが描かれている。
家族の物語を描きたかったのであれば語り手である正之が主軸の方が良かったのでは。中村雅俊・松坂慶子夫妻のくだりはカットして、時代の変化についていけず愚直に己の道を歩み続ける父と変化に対応して藩を支えていく子の葛藤、みたいな。
0

0