このレビューはネタバレを含みます
はじめに見ながら思ったのは国家機密のプロジェクトなのに管理がずさんすぎる……6人も受け入れるんだから、ひとりくらい監視役として役所に人送るでしょ普通。
月末が6人に同じ言葉で街を紹介するのが良かった。「いいところですよ。人もいいですし、魚はうまいし」
6人それぞれのキャラクターが分かりやすく伝わる導入だった。
床屋さんのくだりもとても良かった。
店主も同じ境遇だったとは!
好奇心だけで動いた市役所の後輩のせいで早々に6人は鉢合わせ。トラブルも起きる。
そして、新聞に載っちゃヤバイことくらいわかるだろー!?
新聞ってやっぱり誰かしらに気づかれちゃうもんなんだな…「八日目の蝉」でもあったよね。
杉山は宮腰が同類だと感づいて悪事に誘う。船のシーンで杉山は宮腰に「おまえみたいなやつは虫を殺すくらい無感情に人を殺す」みたいなことを言っていたけど、数分後に本当に虫けらのごとく杉山が宮腰に車でひき殺される。杉山の前に網いじってるおじさんからひきにいくのは衝撃だった。
宮腰は先天的に危うい人だった。
これは遅かれ早かれだっただろう……
でも月末やアヤと出会って、宮腰も普通の人になれるかもと思っていたかもしれない。無理だったけど。
月末の部屋で「僕もずっとここでみんなと暮らしていたような気持ちになる」みたいなこと言っていたような。きっと切ない願望。
岬にいって月末の首をしめたけど、結局手を緩めた宮腰。初めて殺意をコントロールできたのかもしれない。
最期はのろろ様の審判に委ねる。
まさか頭が落ちてくるとは…!
エピローグで、普通の生活に戻っていたけど、仮釈放中でのあんな派手な殺人事件になったのにメディアの話題にはならなかったのかな。国家機密だから揉み消されたのか……。
エンドロールで流れる曲がDEATH IS NOT THE END。
死んだ杉山と宮腰のことかね。
そして本筋のストーリーには関係なかったけど、栗本の行動も印象的。
はじめは死体を埋めたい願望がある人なのかと勘違いしたけど、「羊の木」に習おうと、再生させようとしていたのね。