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羊の木のyuukのネタバレレビュー・内容・結末

羊の木(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ずっと怖かった。

どうせ中盤か後半辺りまではゆったりした物語なのだろう、と変に構えて観ていたけれど、大きく、良い意味で期待を裏切られました。
ぞわぞわと背中から這い上がってくるような恐怖が纏わり付いて離れない。6人いる元受刑者の誰もが怪しく、どの行動も勘繰ってしまう。一挙一動にドキドキしていました。

物語の終わりが見えてきた頃に、私は無性に恥ずかしくなりました。
人を殺したから、殺人犯だから。
そういう色眼鏡で、疑わずに「コイツらは悪だ、改心なんかしているわけがない。絶対に、またなにかやらかすだろう」と信じ込んでいた自分の過信に顔を上げられませんでした。(現実世界ではそれが普通の反応なんだろうけど…)

錦戸亮さんが演じ、高評価を得ていた「普通の人・月末一」。
普通の人だからこそ、色んなものを怖がって、嫉妬の感情で後先を考えず突っ走って、その結果友人も好きな相手も傷付けて。

良い味が出ていたと思います。
信じるか疑うか。
私は信じたいと思いながらも、疑ってしまいました。
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