このレビューはネタバレを含みます
A24作品、アカデミー作品賞受賞作。
マイノリティである主人公が、少しずつではあるが徐々に自分を形作っていく物語。
まず、主人公は自分自身を否定します。
黒人で、ゲイで、母親は薬づけ、さらにいじめられている。
確かに、ものすごくマイノリティで、拠り所がない状態です。
そして、かつて自分の存在を認めてくれていた、父親のような存在を模倣して暮らしていきます。
好きな人や憧れの人をマネするのは、誰しもが経験するところかと思います。
最後は、自分を昔から知る人たちに、自分の存在そのものを認めてもらうことで、ありのままの自分も許せるようになっていきます。
自己否定
↓
模倣
↓
自己許容
多くの人が通ってきた道ではないでしょうか。
自分を認めるようになれてきた主人公。
まるで月の光に照らされて、青く光っているかのようです。ムーンライトに照らされて。
まるで、ナウシカの『その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし』みたいです。