ジャッキーケン

ムーンライトのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.5
本年度アカデミー賞でララランドと火花を散らすであろうバリージェンキンス監督作

シャロンという黒人街に住むゲイを少年期、青年期、成人期の人生にそれぞれライトをあてる

本作の凄いところは撮影
現実世界にない色をすべてのシーンに手を加えていて美しい色彩で映画を彩る
素肌の色がこうも綺麗に見える映画はそうないだろう

助演男優賞にノミネートされてるマーハシャラアリ
「ルークケイジ」のコットンマウス
「プレイスビヨンドザパインズ」でゴズリングに殴られる人
ヤク中ナオミハリスに育児放棄されるシャロンを親代わりに育てる父親的存在で圧倒。シャロンを海に連れ泳ぐ練習をする場面は手を施した色彩表現も相まって本作で屈指の名シーン
もっとマーハシャラアリと少年期シャロンにスポットを当ててほしいくらいだ
絶対助演男優賞はマーハシャラアリ!

ナオミハリスもシャロン同様に成長していくが007のマネーペニーの華やかさは一切ない「ブレイキングバッド」に出てきそうなヤク中
主人公のシャロンが母親にいてほしかった時期に育児放棄さえしなければ人生は変わっていたマーハシャラアリもね

映画で描かれる少年期、青年期、成人期
物凄く気になるのがこの間のストーリー
フアンの運命、シャロンが事件後になぜ変わってしまったのか敢えて想像力を掻き立てるのが堪らなくジワジワ来る

ララランドとは正反対な映画
夢や希望が詰まっているわけではなくむしろ淡々としたバイオグラフィー
だがのめり込んでしまう面白さがある
うっとりするような独特な色彩表現
ライトに照らされて描かれる本作はララランドとは正反対な良さを放つ傑作