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ムーンライトの258のネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

図らずも「ダイ・ビューティフル」とLGBT映画二本立てになってしまった。
全編にわたって美しい色。
どこかしら青が入ってたり青みが強いカラーリングの画面はアデル、ブルーは熱い色を思い出していた
それだけに青が入り込まないシーンが印象深くて、車で別れるシーン、電話のシーン、あそこにはなにか希望や光を感じる
全編光は非常にキーになってるんだけど…
役者陣はそれぞれ演技が非常に素晴らしい
特に青年期を演じた主人公、彼の絶妙なナヨっと具合は最高。あんな私がいたし、あんな彼女や彼を私は知ってる
海でのシーンもどれも非常に素敵でロマンチック
二度目の海、ああ彼は受け入れてもらえたんだなと心の底からじわっときた
なんてったって行為の描き方の品の良さよ
その後にあのシーンがくるから絶望、悲しみ、混乱
シャロンがいじめられているところはカメラワークがぐるぐる回ったり激しい手ブレで、それがシャロンの内面を映し出しているように感じた
大人になったシャロンの筋肉や装飾品、高級車は彼の心を守るための鎧
彼は手下の前では堂々としているのに、ケヴィンの前では俯き、言葉を選んで口にする繊細な子供がそこにいることに、ほんとうの彼の心に触れたのは目の前のあなただけなんだよって、あの告白がすごく切ない
時々入る食い気味の編集とか、音楽の使い方ももっとじっくり味わいたい
ああ、もう一回観たいな
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