このレビューはネタバレを含みます
トラブルで話題を呼んだアカデミー賞にて作品賞を受賞したムーンライト。やっとこしみれました。
ㅤ
1人の男性について、少年(リトル)、青年(シャロン)、成年(ブラック)の三章からなる映画。いじめれて育った少年、青年時代。彼にとっての味方はフアンとケヴィンのみ。フアンからは泳ぎや生きて行く上で大切なことを学ぶ。そして、シャロンはケヴィンに対して、特別な感情を持っていることに気付く。
ㅤ
本当に淡々と進んで行く映画だった。シャロンを取り巻く環境っていうのが、なんとも言えないというか、複雑というか。母親はヤク漬けでろくに世話もしない。でも、そのヤクを売っているのはフアン。そのフアンは、シャロンのことを唯一気にかけてくれる存在。フアンにとってシャロンは過去の自分のようだったのかな?放っておくことができなかったのかな。
ㅤ
そしてケヴィンに対する想い。浜辺での出来事。その後の暴力。話を聞こうとする先生に対して「何もわかってないくせに」って言いながら涙を流すのは辛かった。きっと彼はレゲエ野郎やその取り巻きに殴られることなんて、きっと屁でもなかったんだろうし、ケヴィンに殴られるからこそ、何度も立ち上がったんじゃないかな。
ㅤ
最後、再会して、家での会話からの最後のシーン。体や身なりをいくら変えたところで、シャロンの中身は何1つ変わってなかったんだなって。あんなにいかつくなったシャロンが頭を撫でられながら心の底から安心したような顔をしてて、それで良かったと思える映画だった。
ㅤ
アカデミー作品賞だからといって、簡単に誰にでもすすめれる映画ではないけど、こういう作品がアカデミー作品賞に選ばれるむていうのが、ハリウッドらしいなと思う。
ㅤ
あと、フアン役を演じてアカデミー助演男優賞を受賞したマハーシャラアリですが。出演時間、多分30分もなかった気がする。それなのに存在感凄かったー!