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ムーンライトのyochinoirのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.7
どんなストーリーかちゃんとわからずに鑑賞。
自分のアイデンティティを探し続け、もがき苦しむシャローン。
母親が薬物中毒で、愛情も充分に注いでもらえない中、その彼に手を差し伸べ、他人の子なのに愛情を注ぎ、生き方を教えたフアンとテレサがとても素敵だった。
「自分の人生は自分で決めろ。他人に決めさせるな」
「我が家のルールは愛と自信を持つこと」

シャローンは同級生にいじめられて、心の拠り所になるはずの母親には頼ることもできず、本当に苦しい子供時代だっただろう。海辺でケヴィンにいった「泣きすぎて自分が水滴になってしまいそうだ」この言葉がシャローンの青少年時代の全てを語っている。

そしてケヴィンとの関係。
幼いときも自分のそばにいてくれ、いじめから救うような強い正義感ではないけど、シャローンにとってケヴィンの存在はとても大きかったんだろう。

シャローンは高校で事件を起こし少年院を出て、自分の心も体も強さで固めていたけど、ケヴィンからの電話の時、会いに行った時のシャローンの表情はその屈強なイメージとは全く別の子供のときのシャローンの顔だった。
役者さん、すごいな。

この映画は、シャローンのアイデンティティをとおして人とのかかわり方、人を純粋に愛することの尊さを教えてくれているようなきがする。
ムーンライトというタイトルと海でのフアンの話、映像、トータルでとても美しい映画。
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