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ムーンライトのもちのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.6
ジェンダーとセクシュアリティの授業の課題で見た。アカデミー賞での騒動の印象が強かったが、見てみると、「おっとこれは複雑な映画だぞ」となった。

主人公は黒人で貧困の家庭の元で育ったシャロン。映画では3つのパートに分けられて話が進んで行く。

ⅰ リトル
ⅱ シャロン
ⅲ ブラック

シャロンはゲイなのか?

これは私には分からなかった。映画の中で、友人のケビンに対して性的な感情は抱くものの、それ以外のシーンは出てこない。デミセクシャルかもしれないし、バイセクシャルかもしれないし、それは見ている人が決めることじゃなくて、シャロンが決める/思うことだろう。

ムーンライトは同性愛者が差別される話か?

貧困、薬物中毒の母、内気な性格、人種、ステレオタイプ...いろんな問題が絡み合っていていじめや差別になっているように感じる。単に同性愛だからいじめられるのではない。Intersectionality という言葉があるで詳しく知りたい人は以下を見て見てください。
https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/section4/2018/01/intersectionality.html

低予算、少人数の映画ながらも訴えてくるものはその何倍も強い。ハリウッドでは特に白人主義が叩かれているからその影響もあって受賞したのだろうか(優遇したとかという話じゃなくて)。人種差別(あとは女性の地位とかね)とか敏感すぎない? と思う人もいるかもしれない。でも映画の歴史もアカデミー賞の歴史も、時代とともに変化をしていて、その裏には常に、疎まれながらも変革に挑戦してきた人がいるのだろう。その結果がきっとここなのだ。
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