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ムーンライトのsaorinのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.5
差別やいじめ、ドラッグ、同性愛。
多くは語られず、行間を読むことで、心情が伝わってくる。
育ってきた環境は、否応無く人生に影響してしまう。
家庭では薬依存の母親に気を遣い、学校ではいじめで怯える日々で、居場所がなかった主人公にとって、「自分の道は自分で決めろよ。他人に決めさせるな。」というファンの言葉は救いとなる。
ただ一人自分を受け入れてくれた友人ケヴィンへの淡い恋心。海辺で夜空の月に青く照らされ、ふたりの心が重なった日。
この映画の見どころのシーンだと思う。
ケヴィンとの久々の再会。
彼らは生きづらさを抱えていた青年期から変わりたいと成長しているが、どこか不完全である。
大人になっても主人公のうつむく癖は変わらず、自信のなさを物語る。
ラストの2人が寄り添う姿は、ありのままのお互いを認め合い、自分らしく生きられるようになる、そんな希望が読み取れた。
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