黒人しか出てない映画でこんなに切ない気持ちになったのはきっと初めてだと思う。黒人にこんなにも繊細さやナイーブな感性を感じたのも初めてかもしれない。シャロンを演じた3人の俳優のやり場のない悲しみや怒りを目で訴える表情の演技に何度も胸が締めつけられた。
マイノリティのなかのマイノリティ。どこにも居場所がない。どこにも道がない。どんなに辛い思いをして生きてきたんだろう。「泣きすぎて水滴になりそうだ」というセリフが印象的。そんななかでも自分の心を照らしてくれる存在がいたことで、心までも失わずに済んだのかな。最後のムーンライトに青白く照らされる少年シャロンがとても美しかった。リトルは"ブラック"にだって"ブルー"にだってなれる。夜の海に行きたくなった。
