ジャッキーケン

スウィート17モンスターのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)
4.1
心が浄化される映画
ステレオなアメリカンジュブナイルとは味の違う作品で最近の映画なら「レディーバード」と似ている。

親友が大嫌いな兄貴とくっ付いて自分のいたい場所がなくなりパーティで挙動不振になって帰っちゃうとこはアメリカの青春映画ってパーティ三昧なイメージを覆す。

アーウィンキムとの出会いで遊園地の観覧車でキスのタイミングを間違えるところやバスタブでその日ずっと過ごす、キム君の器用だか不器用だか分からない女子との接し方の分からない感じとかヘイリーが揶揄って怒ったかと思えばまた揶揄い返したり微妙な距離感が一層愛おしさが増してきます。

兄貴との因縁の確執、父親と正反対な存在な母親、そんなに脳みそを働かさずもっと簡略に接すればいい、
チャットで送る「OK」のふた文字には父の死後からの家族関係を絡まった糸を解いてくれる。

映画祭でのアーウィンキムの作品は愛おしさの塊!

ヘイリースタインフェルドは歌が上手いってイメージが先行するけど勝ち組じゃない普通な女子も演じられることができる。「バンブルビー」では80s平凡ティーンぶりに期待。
アーウィン役のHayden szetoは凄く好感の持てるキャラ。
ウディハレルソン演じる先生も皮肉屋だけど生徒が先生に持つ学校でのイメージってそれで固執しまいがちだけどヘイリーが家に上がることで学校では見えない一面が見えてくる家族的な一面を覗かせる場面がすごく良かった。

繊細で面白い
勝ち組じゃない青春映画は面白い
ヘイリーのキャラで賛否が別れそうだけど勝ち組じゃなかった僕には共感できる。親友がいつメンを乗り換えたことで距離が遠のいて行く寂しさと怒り。自分より出来が良い兄弟、姉妹を持つ人なら分かる負け組コンプレックス。
親友と喧嘩した時、学校での人間関係に行き詰まった時こそ見て欲しい青春映画の一本