すぺー

アンダー・ザ・シルバーレイクのすぺーのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

イットフォローズのデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督、アメイジングスパイダーマンのアンドリュー・ガーフィールド主演ってことで視聴。

目的なく漂流し続けて、訳のわからない陰謀論をヒントにあっちへ行ったりこっちへ行ったりしてるのがシンプルにつらい。この辺り、映像は華やかだったりシリアスだったりとイットフォローズでもバシッとキメてくれたカメラワークと演出もあり、やっぱりデイヴィッド・リンチ監督を思い出す。悪夢を彷徨うような…
で、結局2時間20分の作品中、100分くらいまでは何がしたいのかわからねえわからねえ言いながら観てた。

ウォッチパーティーで観てて、友人の解釈を聞いて少し救われた。
現実の問題に取り組まず、陰謀論にホイホイされてしまう主人公サムは、たまたま追ってた陰謀論の真相を突き止めてしまう。が、その代償として現実では、家を取り上げられ、求めていた元カノとの復縁や追っていた美女との恋は実らず、暇つぶしに覗き見していたオーガニック?なのか半裸で鳥を飼って過ごす近所のおばさんとねんごろになるくらいにしかなれなかった。つまり視聴者に「現実を見ることの大切さ」を説いたんじゃないかって。

多分わざとだろうけどサムが現実から逃げているというアンカーの描写がなさすぎて、なぜこんなふわふわ漂うように陰謀論に向かって手当たり次第に追いかけ回しているのかがわからぬ。そこに気持ち悪さを感じる。つらい体験だった。

ただ映像や音楽は華やかだったりシリアスな場面では不穏だったり、全然別の作品や制作者に対するオマージュがあって、ポップになってるから、見心地は一見よい。だからタチが悪い。

イットフォローズ、アンダーザシルバーレイク。さて次はどんな作品を作ってくれるのか。期待してます。
すぺー

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