そうして私たちはプールに金魚を、のkuziraのレビュー・感想・評価

退屈を拒否して、退屈を受け入れた
退屈に殺されかけて、退屈を愛した

15歳の退屈をこんなにも愛しく描いて
こんなにも綺麗で絶望的に肯定した作品を僕は見たことがないです

15歳のなんのカテゴリーにも類別されない少女達の生き方は脆くて柔くてひたすらにつまんないを泳がせていく

綺麗な金魚は見えない、自由な金魚も見えない、名前がなくて、運命が決まってる金魚

ひたすらに金魚すくいで掬われる金魚達を私達はビリビリのポイで掬って救う
そうしてカラオケボックスの狭い部屋でまた私は生きている、歌っている

涙が出るのは生きてるから。
心で飼った金魚の雫。生きてるんだなぁ。