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MIFUNE:THE LAST SAMURAIのjyoのレビュー・感想・評価

MIFUNE:THE LAST SAMURAI(2015年製作の映画)
3.5
三船敏郎という俳優を知ったのは、ものすごい小さい頃だったと思う。その頃WOWOWでスティーヴン・スピルバーグの『1941』という映画を観て、かれが山本五十六役で出演している場面を初めて観た時、かれを覚えて。それから、しばらくして三船敏郎が亡くなったというニュースを知り、『七人の侍』で共演した千秋實が「七人の侍の中で生き残っているの、とうとう、俺1人になってしまったじゃねぇかよ!」と取材で応えていたのを覚えている。

三船敏郎は、黒澤明監督同様、世界的な名声を得、黒澤明とのコンビ作も非常に多い。まるで、漫才コンビや夫婦以上の絆を持っていたのだと思う。

本作は、三船敏郎と黒澤明のコンビ作を中心に、三船敏郎という人間について迫ったドキュメンタリーである。

加藤武や土屋嘉男など、共演の多い俳優やスティーヴン・スピルバーグやマーティン・スコセッシといった世界的な巨匠のインタビューまでも行われている。スピルバーグとスコセッシ。この二人が同じ作品に出演しているだけでも鳥肌ものだ。そういえば、スピルバーグとスコセッシがコラボして作った映画はなかったような気がする。

しかし、内容として三船敏郎の入門編と言ったような内容で全盛期からのファンで、彼の作品は、どんな端役の映画でも全てみたという人には不向きで、どちらかと言えば若い人向けな内容の気もする。日本公開版のナレーターが、EXILEのAKIRAである時点で、若いひとに観てもらいたいという意図も察する。

出来るだけ、10代やこれから、俳優を志すようという人は、俳優であるには、一個人の人間とはという観点でこの映画を観てもらいたい、三船敏郎という人間を頭の中で吸収し、一流である極意というのが、この映画で学べそうな気がする。

因みに筆者が考える一流の極意とは、掃除好きであるということではないかと思う。
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