このレビューはネタバレを含みます
韓国の社会問題に興味がありそれらを題材にした韓国映画やニュースを見てる人なら、韓国の悲痛を感じる作品。女学生が目を覚ますと同時に放った言葉はかなりショックだった。あの事件への怒りと悲痛がパクソダムの台詞に集約されていた。もし制作日が最近だったら、きっとこの流れで梨泰院雑踏事故で亡くなった若者が運ばれてきたのかもしれない、、そんな気持ちにさせられた。ファンタジー仕立てだしラストは謎だけど、無駄に若者の命が奪われ続ける自国の社会体制を案ずる韓国の制作者達の明確な訴えがこの映画には込められている。そうでなければこの短い映画にあのキャスト達が揃うことはなかったと思う。原題の〝ヴァンパイアは私達の隣に住んでいる〟そのままの方が、明日は我が身の深刻さが日本人にも伝わったかもしれない。
セウォル号は分かるが、チソンの役の意味が分からないと書いている方が多いので、簡単に補足すると、私もチソンが演じた人物の事件は知らないのですが、韓国では兵役中の虐め、事故、事件などで若者達が毎日のように亡くなっています。チソンは恐らく、兵役中に亡くなり国の都合で不審死とされたままとなっている方の浮かばれない死後を演じているのだと思われます。
兵役中に実際に起こった事件やどのような環境か興味があるドラマ好きの方は、Netflixで配信中の〝D.P. -脱走兵追跡官-〟をご覧になると、ドラマも楽しめ、この映画への理解も深まるかな?と思います。D.Pかなりおすすめです。