東京計画2022

太陽の塔の東京計画2022のレビュー・感想・評価

太陽の塔(2018年製作の映画)
3.5
目の前に納得のいかない現状があるとして、僕らの中に語るに相応しい「表現」「思想」がどれほどあるか。

岡本太郎は大阪万博の太陽の塔で、当時の進歩だ、調和だという人間の「驕り」を表現した。

では21世紀の現状に対し、僕らにはどんな「表現」があるのか。過去のデータからの予測ではない、未来と今を見据えた予測を超える「表現」ができるのか。

その表現は、やはり芸術にしかできないと思う。よく人文科学系の学問は必要ない、自然科学こそが重要と言われるが、自然科学は現状を理論によって定義付けることはできても、その現状が起こった根源的な理由の説明は得意でない。質量保存の法則は見つけ出せても、なぜ質量保存の法則が存在しているのかを考えることは、人文科学だ。

新しい「太陽の塔」。それはどんな「表現」を伴うのか。芸術とは、を考えさせてくれた作品でした。