ICU映画部きらきら星

劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~のICU映画部きらきら星のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「元始女性は太陽であつた。真正の人であつた。今、女性は月である。他によつて生き、他の光によつて輝く、病人のような蒼白い顔の月である。」と雑誌「青鞜」にあったことが本作のバックボーンにある事は、主人公たる天真爛漫で御転婆な花村紅緒の一挙手一投足からも明らかだ。本作でも親友の環と紅緒が「青鞜」を受け渡しているのも直喩と言って過言ではないだろう。全体を通して、コメディ、少女漫画、昭和のテレビまんが、大正浪漫とシベリア出兵という種々の陰陽の要素が絡まり合う本作にはまさに構成の妙があるのだろう。勿論、紅緒と忍が主軸ではあるが、周りを固める男性キャラクター、特に伊集院のお爺様と牛五郎が個人的にはお気に入りであり可愛くもある。そして、冒頭ナレーションが、不遇なテレビアニメ版の忍であり、挿入曲に当時のOP(Instrument)とリスペクトがあるのも良い。個人的には、早見沙織さんの声が非常に好みであり、彼女の良さが滲み出ている。彼女が歌う主題歌も必聴だ。