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退屈な日々にさようならをのmstkのレビュー・感想・評価

退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)
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2016/11/01@TIFF
2016/11/20@K'sシネマ
序盤はダークなコメディかと思いきや、やがてその色調を変え生と死を巡る複雑な群像劇に。
生と死、生者と死者、コミュニケーションとディスコミュニケーション、贖罪や成りすましなどを素材に、人々のそれぞれがユニークな筆致、巧まざるユーモアをもって描かれる。
いつもの事ながらテーブルを挟んだ男女の何気ないやり取りが素晴らしく、それは木南晴夏でも白石麻衣でも松本まりかでも変わらない。
乃木オタ的には「墓場、女子高生」と互いが無意識のうちに呼応しているかのように思える点が堪らない。
「墓女」が垂直の世界(墓石、卒塔婆、大木、それにぶら下がる死体、スラリと伸びる御御足、演者たちの上下運動、そして何より堕ちていく西川)にあるとすれば、『退屈な・・・』はパラレルな世界にある。
並置された男女やそれぞれの感情、出来事の数々は円環し、やがて初めの地点に戻るだろう。
「思っていれば存在する」「知らなければ死んだことにはならない」という2つの概念が表裏をなし、それぞれがより魅力的に思える夜だ!

#2016年映画ベスト
#2016年映画ベスト10
(新作・鑑賞順)
◾️キャロル
◾️ボーダーライン
◾️緑はよみがえる
◾️クリーピー
◾️団地
◾️ブルックリン
◾️スポットライト
◾️ハドソン川の奇跡
◾️退屈な日々にさようならを
◾️鳥類学者
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