Maoryu002

ニーゼと光のアトリエのMaoryu002のレビュー・感想・評価

ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)
3.6
1940年代、ブラジルの精神病院にやって来た医師ニーゼ(グロリア・ピレス)は、ロボトミーや電気ショックによる治療を否定し、患者たちに絵を描かせようとする。女性医師への差別も重なり、病院から活動を否定されるが、患者たちは次第に穏やかに生活するようになる。

最初の30分は牢獄を超えるすさまじい虐待の映像が続いて、観ている方もくじけそうになる。
病院の様子と展開は「カッコーの巣の上で」にも似ていて、その方法がどんなに粗野でも奇妙でも、とにかく否定せずに受け入れ、そして耐えることで患者たちは少しずつ変わっていく。

ドキュメンタリー的な色合いも強くて、映画の娯楽性は高くなくても、心に響く作品だ。
ニーゼの葛藤と周りの無理解に、思わずこちらも叫びそうになった。

“生き方は1万通り” だ。
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