熊太郎

ビリディアナの熊太郎のレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
4.3
あらすじを乱暴に述べれば、
オタサーの姫からヤリサーのパリピへ
わかりきってた「変身」譚。
ヒトが虫になれば排斥されるが姫がオンナになれば迎え入れられる。──確固たる「制度」に。

監督脚本のルイス・ブニュエル、せかいや人物を記号的に扱うのではなくて、記号やコードに対しておそろしく批評的な眼をもっている。
記号のメタモルフォシス、恩寵はさいごまで訪れない。

せかいのあらましをギッと見つめていたびっこの縄跳びむすめは草冠をポイする。



はじまりは「荘厳」なハレルヤ・コーラス。
抑圧された去勢者のコスチュームプレイ、自慰、懊悩、ひと時の解放、強姦未遂、恥辱、
オチはテーブルゲーム囲んでゴキゲンなBGM。


エゲツなく普遍的な話なんで笑うしかない。
なんだあのLINEグループ登録しちゃいました♪なパリピ野郎は…


『パラサイト』とも比較されてるみたいだけど、被差別者たちが鎖に繋がれた檻の中で「自由」を享受しつくす暴れっぷりをみるに、ポンジュノがいかに洗練され(良くもわるくも)画が纏まってしまっているかわかる。




「善人はどこにもいないね。好きでしょそういうの。」
ブニュエルの無愛想、ハナホジが見えた。
熊太郎

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