ビリディアナの作品情報・感想・評価

ビリディアナ1960年製作の映画)

VIRIDIANA

製作国:

上映時間:91分

ジャンル:

4.1

「ビリディアナ」に投稿された感想・評価

Mitsunoir

Mitsunoirの感想・評価

3.9
開始から1時間くらい乗れなかった。足映すねぇ、乞食たち品性のかけらもねぇなぁくらいにしか思わなかった。ところがあの最後の晩餐からの騒ぎ、そしていばらの冠を焼いちゃう無邪気さには笑った。神様の救いだうーだなんて偽善よ、人間の本性はこれよと見せつける感じ、ブニュエルだ。
ブニュエル監督噂の問題作。キリスト教への強烈なパンチが効いており信心深い修道女の心を容赦なく何度も折る展開は胸熱。鮮烈な乞食達の最後の晩餐からの写真撮影と称したあの行為は衝撃的だった。熱心なキリスト教徒が観たら卒倒しそうな映画。
本作はあそこで終わるが、個人的にビリディアナのその後の人生がみてみたい。あの後でも信仰を続けるなら本物では。
監督はイかれてるってレビュー多いし確かにイかれたフェティシズムおじさんだけど同時にすごく真面目だな〜と思う。一種の真面目さがなければこんなキリスト教映画はとれない気がします
むちゃくちゃ面白い。浮浪者たちがハレルヤ〜て踊り出すところはなぜか涙が出そうになった
哀れな隣人を救うことはできずに恩を仇で返される。荊冠は焼かれ、家には電気をひきクラシックの代わりに流行りのロックンロールが流れカード遊びの娯楽に興じる。どきどきの物語的加速度に近現代へと引き寄せられていくラスト、それらをなすすべもなく眺めるしかないカメラがもの悲しい。
しかしなかなかどうして興奮させられる! ブラックで挑戦的な態度にけしかけられたのだろうか。

端々にいぬが転がっているが、驢馬車に繋がれているいぬを買い取るシーンは確かに見応えがある。驢馬といっしょに走らされるいぬが可哀想だと言って助けてやるのだが、その直後にまったく同じ仕様の驢馬車が走り去っていく。だがカットを割ったのはどうなのか? いぬへの視点を押し付けないでほしい。
生活

生活の感想・評価

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「アンダルシアの犬」やカトリーヌ・ドヌーヴ主演の「昼顔」などで有名なルイス・ブニュエル監督の作品。「ビリディアナ」はカンヌでパルムドール受賞後、「冒涜的」という理由でスペインでの上映を禁止された。観ると上映を禁止された理由がよく分かるというか、キリスト教への批判というよりも皮肉が物凄く込められている。信仰の無力さと馬鹿馬鹿しさを徹底的に描いていて、特に、レオナル・ド・ダヴィンチの絵画「最後の晩餐」を全員乞食で再現するところなどはすごい。
ブニュエルがこの映画を通じて言いたかったことは多分だけど神や信仰を馬鹿にすることだけじゃなくて、慈悲の虚しさも含まれているんだと思う。慈悲は時に誰かを救うのに有効かもしれないけど全員を救って幸福にできるようなものではないよね。
あとブニュエルは女の人の撮り方が本当に変態的に上手。
pika

pikaの感想・評価

4.5
なんつー強烈な映画!
HDリマスターが素晴らしき仕事をしてくれて70年近く前の映画とは思えぬ綺麗さ。

お祈りと修繕のクロスカッティングだとか、お手の物な暗喩表現へのパンニングだとか、ドギツイ内容に反してライトにユーモアを交えてくるあたり、さすがのブニュエルでこれこそが醍醐味と言わんばかりに素晴らしい!

「最後の晩餐」をメインディッシュにガラガラ音を立てて崩れてゆく信仰心や慈善というものへの皮肉は、口があんぐりしつつも痛快で強烈で刺激的。なんなのもう
前半と後半で同じ作品とは思えぬほどガラッと変化しつつ軸は全くブレていない秀逸さや、ラストでは全く予想だにできないFINを迎える手腕など、さすがブニュエル!と唸らされる。なんなのもう
これだからたまらんのよ、サイコーです。傑作!!

このレビューはネタバレを含みます

・修道女の見習いのビリディアナは死んでしまった叔父の屋敷をホームレスに解放して受け入れるが…
・キリスト教に中指を立てたような映画でなかなかファンキー
・コーヒーに睡眠薬をいれて昏睡レイプする手口ってこの頃からあったのか
・ダヴィンチの最後の晩餐と同じ構図からのハレルヤで酒池肉林のシーンの飛躍っぷりが凄い
ち

ちの感想・評価

4.5
強姦、死姦、近親相姦。宗教の慈善と偽善、抑圧と欲望と。絶望の内にビリディアナは信仰を捨てる。ブニュエルは非情さに満ちた現状認識を容赦なく観客へ突きつける。

ブニュエル、変態ですね。ストッキングを脱ぐ、しゃがみ込む、どんだけ足フェチなんやねん。。。

卑猥で猥雑、そして示唆的な映像表現を用いて欲望から逃れられない人の業を、他人に変化を促すことの傲慢さを辛辣に指摘していますね。
7月29日はスペインを代表する巨匠ルイス・ブニュエル監督の没後34年目に当たります。

彼の残した多くのシュールレアリスム作品が目を引く中、
キリスト教に対して痛烈な皮肉をぶちまけた本作も間違いなく彼の代表作(問題作)に数えられる逸品。

政治的な理由からメキシコに活動の場を移していたブニュエルが久々に故郷スペインで撮影した結果、ものの見事にどえらい不謹慎映画を作ってしまった奇才変態天才なブニュエル先生。

慈善と偽善の間をブニュエル独自の切り口で抉り出し、信仰の欺瞞と現実の辛辣さを目一杯に弄り倒します。

美しき修道女ビリディアナが下界であらゆる受難に晒される一種のフェティシズムも見過ごせないポイント。
修道女の生着替えを出歯亀目線で捉えつつストッキングを脱がせて美脚を露にさせたり、牛の乳搾りをまるで男性器に見立ててイヤらしく握らせたり、とにかく宗教的タブーとエロスと醜悪をごった煮にしたブニュエル・エンターテイメントを展開。

端正な顔立ちのブロンド美女シルヴィア・ピナルは後の主演女優ドヌーヴとも面影が似ており、明らかなブニュエルの好みも窺えます。

そんなビリディアナに惚れ込んでしまう叔父は、実にブニュエルの遺作までを連れ添った名優フェルナンド・レイであり(しかも毎回同じようなキャラね)、そのままブニュエルの変態趣向を見事なキモさと威厳に満ちた演技で具現化してくれています。

「最後の晩餐」のパロディは言わずもがなな名シーン!
誤解するな、一緒にいたいだけだと言い放ち、相手が寝込むや否やキッスをかます。
この映画の中には我々しかいない
劇中浮浪者の晩餐会のように、ただ消費して、汚す。それ以上のことをした事が?
贖罪を果たせなかった聖女の行く末、
シニシズムに収まらない静的で強烈なラスト