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浮き草たちのmoritaのレビュー・感想・評価

浮き草たち(2016年製作の映画)
4.0
ニューヨークを舞台にした、青春映画の傑作。

『さよなら、僕のマンハッタン』主演の男子(カラム・ターナー)と、『マイヤー・ウィッツ家の人々』でアート系の学校に通うベン・スティラーの娘役に扮していたグレース・ヴァン・パタンによるボーイ・ミーツ・ガールもの。

男子の方はポーリッシュの貧乏家庭でシェフを夢見ていながらも、現状はしがないバイト青年で、兄のちょっとイリーガルな仕事を手伝うハメに。

女子の方はワケありっぽい家庭の少女で、ピッツバーグで一緒に暮らす彼氏から離れ独り立ちするためにお金が必要になって、着のみ着のまま取っ払いの運び屋の仕事をすることに。

運び屋として初めて顔を合わせたふたりが、手違いで運んでいたバックをロストしてしまい、一晩かけて取り戻そうと四苦八苦するが・・・というのが大筋のストーリー。

そして、舞台となるのはニューヨークの下町的な街と富裕層が住む閑静な町。ゲリラ撮影をしているそうで、生々しい映像の街映画としても最高。

何者でもない、“未来”そのものみたいなふたりが出会い、これからふたりの人生も、それぞれの人生も始まるのだろうな、と思わせられる終わり方も◎。

ニューヨークを舞台に、ここまで普通のモラトリアムな若者(といっても文化系的なそれではない)が出てくる清々しい青春映画って、観たことないかも。

街をふたりで歩くシーンが多いという意味では、『ビフォア・サンライズ』みたいな映画ともいえるでしょう。

香港からの帰国の機内で、ダウンロードしていたスマホで観たため画面小さく音楽聞こえなかったから、もう一度PC画面で観たい。もしくは上映して欲しい。
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