TaiRa

ミッキー・ワンのTaiRaのレビュー・感想・評価

ミッキー・ワン(1965年製作の映画)
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後に『俺たちに明日はない』でニューシネマを生み出す、アーサー・ペンとウォーレン・ベイティの初タッグ作。アメリカではカルト映画扱いなのも分かるシュールな実験映画。同時代のゴダールや鈴木清順とかに近い感覚。一種のパラノイア映画。

スタンダップコメディアンの男が"組織"に追われ逃避行を繰り返すが、何故追われるのかも、"組織"が何なのかもはっきり分からない。言葉の端々にカウンターカルチャー的な考えが垣間見えて、ニューシネマに繋がるのも納得。トリュフォーやゴダールに代わってアーサー・ペンが『俺たちに明日はない』の監督に指名された理由が何となく分かる。

謎の男、藤原釜足が何処にでも現れては、笑顔で手招きして来る。台詞も無しに何度もホームレスが出て来る。不可解なルールで動く世界と社会から脱落した世界の両方から逃げる主人公が最後には自分の居場所を決断するという話。
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