かりんちゃんのウマ

ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドンのかりんちゃんのウマのレビュー・感想・評価

4.0
数年前、オペラ座の怪人のアニバーサリーライヴビューイングを観に行きました。当時の衝撃は凄かった。ラミンやシエラのファンになったのも、あのライヴビューイングがきっかけ♪
感動をもう一度…ということで、今回は「ミス・サイゴン」初観劇です。ずっと観たかったけどテーマが重そうだから敬遠していた作品です。

ベトナム戦争がテーマってことだけは知っていて、観ているうちに、これは「蝶々夫人」だって思いました。そしたら、やっぱり原作は蝶々夫人でした。

ストーリーの濃さ、圧倒的な音楽、キャストの表現力、五感すべてと言ってもいいほどにガンガン伝えられるので、感動しないわけがないってのが正直な感想。そして、何より生々しいのです。オペラ座の怪人やキャッツ、レントといった有名作品にはどこか美学を感じ取りますが、このミス・サイゴンには美学よりも、ベトナム戦争への恨みのような、全否定のメッセージをひしひしと感じました。
まさか、アメリカ人が作っているのか…こんなに全否定する作品を支持できる自由な国なのかと思っていたら、フランス人でした。ベトナム戦争によって苦しんでいる人は今もたくさんいるはず。この作品を観ると、良くも悪くも当時にフラッシュバックするのではと思います。
ベトナム戦争を知らない私が生々しく感じるのだから、かなり強いメッセージ性のある演出です。

そして、なにより、キャストですね。皆さん素晴らしい。でもでも、やっぱりレアサロンガは素晴らしかったです。表現力がずば抜けていました。軽いのに濃いっていう表現力は本当にすごいことだと思います。