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運命のボタンのyokoのレビュー・感想・評価

運命のボタン(2009年製作の映画)
5.0
the box(人間の形のイレモノ、所詮地獄の中)の映画原題の方が良い。

思いの外低評価が多い、かくいう私もキャメロンディアス主演のサイコスリラーものかあ、と思って当時食指が伸びなかったたちだがドニーダーコの監督ということで視聴。ドニーダーコは評価も高く難解ということで沢山の論評もあるが、こちらはあまりな評価も納得。おそらくキャメロン目当てのスリラーもの、現金100万ドルの攻防戦、黒幕の正体は!あたりを期待していた人が裏切られての評価なのだろう。ニュアンスでいうならタイタンの妖女、2001年、メッセージ、サイン、マトリックス、ディック的ななにか、この辺りに近いかも。何しろボタンというイメージに引っ張られ過ぎて、五億年ボタン、誰が何のために、オチは!雇い主は!といっけん科学的なロジックのまま最後を迎えての「序盤は良かったけど後半は〜」の憤慨パターンが多いのが目に浮かぶ。魔術やSF、オカルト展開を映画的なごまかし、ご都合主義と受け取っているのだろう。しかし作中でクラークを引用する通り(役名はアーサーだがスペルは一緒かな?)高次元の科学に対して低次の科学で分析することはむしろ科学的な態度ではなく、スピった方が真摯なアプローチなのかも知れない。ドニーダーコしかりこれの延長線上で観るならわかりやすい。
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