も

台北ストーリーのものレビュー・感想・評価

台北ストーリー(1985年製作の映画)
4.0
後期の作品に出てくるモチーフがちらほら見え隠れするので楊徳昌のファンは必見。前半かったるいが、中盤以降は賭けで車を失った侯孝賢のタイペイの夜景をバックに高台での疾走や彼の恋人が不良グループに混じり、ネオン街をバイクで並走するシーンなどグッと画面が引き締まる。

侯孝賢の恋人の眼鏡やサングラスのかけ替えや部屋の灯りを点ける/消すなどの動作で、過去に囚われる、または未来を夢見る心情などが画面上で的確に表現されているのは流石。冒頭の男女が窓から外と未来を見ていた空室から、ラストの女が元上司から仕事を誘われ、そっとサングラスをかける空虚な空き部屋、この空室の意味するところの変化はぞっとするものがある。

ダンスシーン好きとしては、停電したダンスフロアで若者が一斉にライターを灯し、その明かりを頼りに踊り続けるシーンだけで100万点。日本人と結婚した幼馴染が可愛かったので追加で1000点。
も