まぬままおま

断面のまぬままおまのレビュー・感想・評価

断面(1998年製作の映画)
3.5
山下敦弘監督作品。

「『どんてん生活』のエチュードとして撮影した8mm作品」「山下自身が主演しており、山下の俳優演出の原点が彼自身の演技の中に見ることが出来る」(DVD解説より)。

山下監督の俳優演出はアメリカのマングルコア作品のようなのかもしれない。「あー…。」「えー…。」などをセリフを冒頭につけたり、間に使ったりして、不明瞭な発話を俳優にやらせるということで。それは普段の私たちの話し方と似ているので、よりリアリズムに人物が描けるのかもしれない。

終始、男二人の断片的な日常生活が描かれているのだが、終盤の字幕によって一気に意味が変わる。どれだけ演出手法によってリアリズムに描かれていても、映像イメージでは彼らの生の断面しかみれないことを容赦なく暴いているかのようだ。