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バルセロナ: ある愛の物語のWadyのレビュー・感想・評価

バルセロナ: ある愛の物語(2016年製作の映画)
4.1
Netflixにて。
珍しくフィリピン映画🇵🇭が目に留まり鑑賞。
調べると2016年のフィリピン年間興行収入2位になった大ヒット作みたいです🎬

若い男女がそれぞれ過去を引きずりながらもスペインでの生活の中で何が大事かを学んでいき、成長していく王道ラブストーリーです。
いい感じにくっつくかと思いきや、適度にこじらせてくるパターン
(主演の2人の演技が結構うまい)

まぁーベタなやつ好きなんで、フィリピン人もこういうの好きなんやなーと思いつつ😏

個人的に気になった部分が2つ
1つ目は"なんでフィリピン映画でスペインなのか?"という疑問

そして2つ目の"スペインにおけるフィリピン人労働者の生活"とは?について

まず1つ目のフィリピン映画での舞台にスペインが選ばれた部分について
観終わったから調べてる中で自分なりの仮説が持てた。

16世紀の大航海時代にフィリピンはスペインの植民地支配を受け7100もの島々が統一され、約3世紀にも渡り支配を受けている🇪🇸

映画の中では特に出てないが、
アジアでは珍しい国民の90%がキリスト教徒である。

また母国語であるタガログ語にもスペイン語を基にした借用語が含まれてたり。
食文化や建築物、通りの名前や人物名などもこのスペイン文化を色濃く受けているのではないか?という話があるらしい。

もちろん主人公のエリーが建築家になる為にスペインの大学に通っているというのは1つ筋が通っている設定だが。
上記のような【フィリピン人スペイン身近説】は濃厚な気がするのと、それもありフィリピン国内で人気が出たのでは無いか?と個人的に勝手な解釈をしてみた。

そして2つ目は見所といってもいいかもしれないが、
スペインで働くフィリピン人としての生活模様が詳細に描れているのは今まで見たことがない為、興味深かった。
ヒロインのミアがスペインに来たのは両親からのプレッシャーから逃げる為もあるが、この「Barcelonaでの成功」がしたいという願望も少ながらずあった為である。

時に周りのフィリピン人コミュニティにて会話が繰り広げられた時にみんな大学も出て優秀なのにも関わらず、雑用のアルバイトから生活を始めており、ミアにも背伸びせず出来ることから始めなさいと示唆を与えていたのは印象的。

そして英語が話せることは当たり前であり、スペイン語が話せる事が重要。
その習得には最低6ヶ月はかかるとあり。
カンタンに移住する事は難しい事を示唆している。

エリーの下宿先のおばさんも
息子をフィリピンからスペインに呼んだ理由が「良い生活をして欲しいから」であったが、フィリピン人からみてのスペインという国。
もしくは【Barcelona】という街は何か特別な思い入れのある国なのか?
観ていてそんな気がしていた。

日本でもNYやパリなど成功のシンボルとして憧れられる街が海外にはあるが、フィリピンではスペインという街でも1つ旗を挙げたくなる何かがあるのかもしれない。

王道ラブストーリーの中に、
フィリピンとスペインという繋がりが垣間見えて、新しい発見もある作品でした。
街並みは綺麗だし、いつかスペインへ旅行する事があれば、この作品をまた観たいと思う。
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