カイト

THE BATMAN-ザ・バットマンーのカイトのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ロバートパティンソンを主演としたダークすぎるバットマンを描いた本作。

本作を観終えた時にまず、ずっしりとした疲労感を感じた。その理由として全編通して暗く、重い雰囲気が立ち込めるゴッサムを十分すぎる臨場感で描いていることが挙げられる。また、本作のゴッサムシティはこれまで描かれたゴッサムとは一線を画した圧倒的な暗さがあり、観ているだけで気が滅入るほどの腐敗っぷりだった。

バットマン、リドラーのホラー映画を彷彿とさせる登場シーンもまた、観客の緊張感を煽る要因だったと思う。特に鳴り続ける不穏なテーマは不安感や緊張感を増幅させる大きな役割を果たしていた。
特に本作のバットマンは活動2年目かつ、復讐が動機であるため、犯罪者に対し、バイオレンスで一切容赦がなく、どちらに感情移入すればいいか分からなくなる程だった。
ブルースウェインをこれまでのようにオンオフのはっきりしたキャラクターでは無く、脆く、未熟な暗い青年として描いたアプローチには新鮮さを感じた。
ゾーイクラヴィッツ演じるキャットウーマンはミステリアスだが人間味があるキャラクターでスクリーンでの華やかさが凄まじかった。
リドラーが放つ謎解き、キャットウーマンの素性、被害者の関係性という様々な要素が複雑に絡み合う本作は一括りにバットマン映画とは言えず、観る者の目を離さない重厚な1つのサスペンス映画だと思った。

最後のバリーコーガンの笑い声には興奮を隠せなかった。
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